運送会社の倒産情報 2020/01/10

運送会社の倒産情報 2020/01/10
業 種元・定期旅客船運航、ビジネスホテル経営
商 号YSK株式会社
 <ワイエスケイ>
所在地長崎県
倒産態様特別清算開始命令受ける
負債額負債8億円
「長崎」 YSK(株)(旧:安田産業汽船(株)、資本金5000万円、長崎市松が枝町5-35、登記面=長崎市南山手町8-50、代表清算人田中浩文氏)は、2019年12月18日に長崎地裁より特別清算開始命令を受けた。

 当社は1953年(昭和28年)6月に創業、67年(昭和42年)2月に法人改組した定期旅客船運航業者。当初は大村港を拠点に定期航路を運航し、83年に「大村ヤスダオーシャンホテル」、88年には「時津ヤスダオーシャンホテル」、両ビジネスホテルを開業。さらに、長崎空港~長崎オランダ村(現・ハウステンボス)~平戸、シーサイドももち・ベイサイドプレイス博多ふ頭~海の中道(博多湾内航路)などの定期航路を開設するほか、93年にはレストラン船「ゼリーフィッシュ」号を建造して遊覧事業なども行い業容を拡大。96年9月期は年収入高約14億1600万円を計上した。

 しかし、相次ぐ船舶の建造にともない多額の有利子負債を抱えていたうえ、長崎県内の観光客減少から定期航路運航・ホテル稼働ともに苦戦を強いられていた。こうしたなか、金融機関から返済猶予による支援を受ける一方、不採算航路の運休・廃止や、「ゼリーフィッシュ」号を含む船舶の売却、人員削減などのリストラを進めてきたが、減収に歯止めがかからず2014年9月期の年収入高は約4億3600万円にまで落ち込んでいた。燃料費高騰にともなう収益悪化も重なり、2014年9月には金融債務の一部がサービサーへ売却されるなど新たな資金調達が困難となるなか、資金繰りに行き詰まり、2019年9月30日開催の株主総会の決議により解散していた。

 負債は延滞損害金なども含め、約8億円が見込まれる。

 なお、当社事業については、2019年7月1日の吸収分割により、別途設立した安田産業汽船(株)へ事業承継しており、従来の海運事業およびホテル経営を行っており、関係会社も営業を継続している。